〒344-0031 埼玉県春日部市一ノ割1-7-44
追い込み型退職、余儀なくされた退職、やむを得ない退職など言い方はいろいろあります。いじめ・嫌がらせを含めたパワハラも、その先に追い込み型退職に結びついていることが非常に多くあります。
ここでは、追い込み型退職と統一して説明します。
たとえば、
これだけではありませんが、こんな風にして退職に追い込まれた、今まさに追い込まれていませんか?
苦しんでいる方、じわりじわりとしわ寄せを感じている方は、埼玉労働問題相談所・春日部で、対応策をアドバイスします。
ただ、対応策を知りたいのなら、インターネットのサイトを数日探索すれば、かなりの情報は集められます。埼玉労働問題相談所・春日部では、ご相談者の置かれている状況にあった対応方法、対応内容を模索し、最もよい対策を講じます。
退職届を出せば、辞職(自主退職)か解雇かという問題も関係しますが、退職追込みは、むしろ、退職へ追込みと言えるか、追込みの手口はどうかが重要になります。会社が行う手口は、大きくはいくつかの累計に分けられるものの、千差万別といっていいと思います。
共通点は、精神的に労働者を退職へと追いつめることです。最終的な形は、退職届を提出させることにあるわけですが、手口は、退職勧奨などという穏やかなものではありません。
広い意味では、退職勧奨も追込み型退職にくくられると考えられます。追い込みタイプの退職は非常に広い意味で使われます。
表立ってわからなくても、陰湿な方法で、じわりじわりと退職へ追い込んでいきます。追い込み型退職がやっかいなのは、明確に退職を促したり、退職届を出せと言われたりしないケースが多いので、仮に、労働者が退職になっても、会社側はあとでいくらでも理由をくっつけることができてしまうことです。
当然なのです。退職への追込みは、会社側が主導権を握って様々な言動を行ってくるのですから。
たとえば、
などなど、いくらでも言ってきます。
これらが満たされれば、追込み型退職であることの主張が可能になります。最後に裁判例を2つ挙げていますが、やはり、これらの要素がポイントになっていると考えられます。
ただし、精神的に、気持ち的に追い込まれて、不本意であるにもかかわらず、追い込まれて辞めざるを得なかった場合でも、社会的には、自分で辞めたんだから辞職との主張がなされます。
しかし、離職証明書・離職票の右側の第5ブロックには、退職理由の類型として、「労働者の判断によるもの」が区分けされており、労働者の判断で退職した場合でも、理由に沿った取扱いがされるようになっています。
会社からされた退職理由の処理に納得してないことが少なくないかと思います。一度、ご相談いただければと思います。
労働者の対応方法
上司などからされたことはすべて記録に残す(時間、氏名、内容、行為の時間の長さ・場所・タイミングなど)つまり、5W1H+行為の時間の長さ・回数。
配転命令の内容も詳細に記録に残す。
与えられた仕事が変わった場合は、変更前後の状況を詳細に書き留めておく。
これらは、必ずしも裏付けとなる証拠になるとは言えませんが、まったく何もなければいくら言葉で主張しても非常に弱いものになります。
⇒ 可能ならば画像、可能ならば音声、いずれも無理ならば紙に記録する。
実際に、当事務所に退職の労働相談を寄せてきたある30代の男性の方は、スマートホンかICレコ−ダーかはわかりませんが、上司2名が彼に罵声を浴びせる場面を録音したデジタルデータをメールに添付して送信してきました。 関東圏以外の遠方であったこともあり、その録音データは、完全な証拠としても活用できるレベルとして貴重でした。それを基に、今後の対応について、考えられるよりよい方向性を詳細にアドバイスできたのです。 |
追込み型退職をわりやすい裁判例でみてみましょう。
事案の概要 | 従業員Xら2名が、元取締役の不正行為に加担して利益を得たと、Y(会社)が、ほかの従業員の面前で名指しで発言したうえ、不正行為に加担したと決めつけて自宅待機命令、出勤停止命令、他事業所への出向命令を行った。Xら2名は、早く安定した職業を確保する必要があったこともあり、やむを得ず退職届を発送した。 |
Xの主張 | Yの業務命令は、横領行為に関与したことを理由とするものだ。Yは全く事情聴取を行わず、退職に追いやるため自宅待機、転勤など各種業務命令を矢継ぎ早に発し、退職を余儀なくされた。 |
Yの主張 | Xらの退職は、Xらの一方的な退職申し入れによる退職であり、自己都合によるものである。 |
裁判所の判断 | Yに横領事件の共犯者と疑われ、名誉を毀損されたXらは、このまま雇用されていても希望もなく、冷遇されるのみであると思い退職を決意したもので、無理からぬことである。もはやこれ以上勤務することは困難であると考え、余儀なく退職届を発送せざるを得なかったと認めるのが相当であり、一連の違法な業務命令とXらの退職との間には相当因果関係があるというべきである。Yの自宅待機命令、その他の各業務命令が、Xらの退職を余儀なくさせたものであり、少なくとも過失があり、損害賠償すべきである。 |
この裁判では、2名の原告それぞれに100万円の慰謝料が認められています。
事件の概要 | 製造販売の会社Yが、転勤義務がないにもかかわらず、「転勤できないものは自己都合退職せよ」「転勤できないものは辞めてもらう」など、転勤命令に応ずる義務があるかのように 誤信させた。そのうえ、パートが担当していた業務を与えたり、管理職を含めたほかの従業員から早く辞めろと圧力をかけ、そのような職場の雰囲気を放置、助長して、雇用を継続する意思のないことを様々に示し、人格・名誉を傷つけた。結果、Yに勤務するXらは、退職のやむなきに至った。 |
裁判所の判断 | 労働契約関係において、使用者は労働者に対し、労働者がその意に反して退職することがないように職場環境を整備する義務を負い、また、労働者の人格権を侵害する等違法・不当な目的・態様での人格権の行使を行わない義務を負っているものと解すべきである。転勤義務は存在しないにもかかわらず、これに応ずる義務があるかのように申し向けて、義務なき退職届を提出する立場に追い込み・・Yの虚偽・強圧的な言動や執拗な退職強要・いやがらせによって退職のやむなきに至ったとうべきである。一連の処遇は、転勤に応じないことを予測し、Xらに自己都合退職に追い込むことを意図してなされたものと推認されても仕方がない。 |
この裁判では、50万または100万の慰謝料と勤務を継続していたならば得られた賃金6か月分(逸失利益)の損害賠償責任が認められています。
退職への追込み方は、事案ごとに様々ですので、個々に吟味することになります。業務の内容、配転命令、発せられた言葉などすべての要素が絡んできます。
不運にも、ここでお話ししているような追込み型退職の当事者になってしまった方は、退職届を出した、辞めると言った場合でも、納得していない、このままだまっていたくないとお思いの時は、まず、ご相談ください。
当事務所であれば、別の法的考え方からの主張ができる要素を見出すことができるかもしれません。
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