雇止めタイプの退職・解雇

 

 有期雇用の特徴とその雇止めの例

 

期間が定められた雇用契約での働き方、(俗に契約社員という言い方も聞かれます)有期雇用契約における労働問題は、期間の定めのない雇用契約(無期雇用契約)と異なります。雇用契約にスタート日と終了日があることと雇用契約の期間に長さがあることが特徴となっていることから、雇用契約の終了が、単なる契約終了日が来たことによる退職(法的に「自動退職」といいます)か、解雇かという問題になります。

 

たとえば、次のようなことはありませんか?

雇用契約(有期雇用契約)の期間の途中で契約を打ち切られた。

雇用契約(有期雇用契約)が一度も更新されずに終了になった。

雇用契約(有期雇用契約)が数回だけ更新されただけで、契約終了と言われた。

数か月の雇用契約(有期雇用契約)が、数年に渡って更新されてきたが、突然、契約打ち切りになった。

雇用契約(有期雇用契約)の終了日の間際になって、契約更新しない(打ち切り)と言われた。

雇用契約(有期雇用契約)の期間が4年もあるので、途中で退職したくてもできない。

今の雇用契約(有期雇用契約)で、契約期間が10年になるので、このまま働けると思っていたら、契約終了になった。

1年契約を3回更新し、4年間働いてきたが、今回の5年目の契約で終わりと言われた。

etc・・・

 

このようなことになって、腑に落ちない納得いかない場合は、一度、ご相談ください。

 

 雇止めの問題において対立するよくある会社の主張と労働者の主張

 

雇止めは、期間の定めがありますから、一つの契約期間の契約満了日が訪れて契約が終了した場合は、

会社は、「契約期間の満了による終了(自動退職)だ」と主張します。

労働者は、「解雇だ」と主張します。

 

契約期間の途中で契約が終了した場合では、

会社は、「経営悪化により人員削減が必要になったことによるものだ」「○○の勤務成績・素行不良により契約が継続できなくなった」など契約を継続できなくなった理由を主張します。

労働者は、「解雇だ」と主張します。

 

有期雇用契約の契約期間の長さや更新の回数には、差があるものの、ほとんどこの2パターンに属するのではないかと思われます。

 

雇止めの問題は何が難しいか

 

まず、1番目は、契約期間の定めがあるために、会社は、契約期間の終了(満了)日がくれば、とにかく、契約を終わりにできると考え、終了してしまうことです。

 

派遣切りの問題も、期間の定めがある労働者派遣契約(派遣元と派遣先の民事上の契約)に基づいた派遣労働契約(派遣元と派遣労働者の労働契約)で働く派遣労働者の場合も、同様の問題があります

 

つまり、契約期間の最後の日が自然に訪れて終了するわけですから、会社は、「違法な契約終了になるかも・・」ということが、想定できていないことが、問題の根底にあります。

 

2番目は、期間満了になって契約が終了した場合には、会社の現場で、そのことが違法なのかどうかが非常にわかりにくいことです。

 

つまり、

違法でない雇止め=有期雇用契約の終了もあれば、違法な雇止め=有期雇用契約の終了もあります。ここがまったくもってわかりにくいのです。

 

違法かどうかを判断する拠り所となる枠組みは判例の中で継承されてきていたのですが、それが、2012年8月にようやく法律(労働契約法)に条文化されました。現時点では、それが拠り所です。

 

とはいってもわかりにくいことにかわりはありません。

 

一方で、有期雇用契約を期間満了日が訪れる前に終了させる方法は、契約期間の満了日で契約終了になるパターンよりは、違法性の判断がしやすいと言えます。

 

法律に、やむを得ない事由がなければ契約期間中の労働契約を解雇できないと書かれているからです。

 

雇止めの問題は、何を拠り所に違法性をみるか

 

有期雇用契約の満了が訪れたことで契約終了になる場合

これまで、次に示す最高裁の判断枠組が当てはめられてきており、定式化しています。

2012年8月の労働契約法の改正でこの判例法理が条文化されています。

 

したがいまして、契約期間の終了日で、契約を更新しない、あるいは、契約打ち切りなどの告知をされた場合は、ここに示す最高裁の判例法理の枠組みをあてはめて吟味することで違法性の有無を判断することになります。

 

東芝柳町工場事件(最高裁第一小法廷・昭和49年7月22日判決)
「いずれかから格別の意思表示がなければ当然更新されるべき労働契約を締結する意思であったものと解するのが相当であり、したがって、本件各労働契約は、期間の満了毎に当然更新を重ねてあたかも期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態で存在していたものといわなければならず、本件各傭止めの意思表示は右のような契約を終了させる趣旨のもとにされたのであるから、実質において解雇の意思表示にあたる、とするのであり、また、そうである以上、本件各傭止めの効力の判断にあたっては、その実質にかんがみ、解雇に関する法理を類推すべきである」
日立メディコ事件(最高裁第一小法定・昭和61年12月4日判決)
「P工場の臨時員は、季節的労務や特定物の制作のような臨時的作業のために雇用されるものではなく、その雇用関係はある程度の継続が期待されていたものであり、Xとの間においても5回にわたり契約が更新されているものであるから、このような労働者を契約期間満了によって傭止めにするに当たっては、解雇に関する法理が類推され、解雇であれば解雇権の濫用、信義則違反又は不当労働行為などに該当して解雇無効とされるような事実関係の下に使用者が新契約を締結しなかったとするならば、期間満了後における使用者と労働者間の法律関係は従前の労働契約が更新されたのと同様の法律関係となるものと解せられる。」

 

有期雇用契約の契約期間の途中での解雇の場合

本来は、有期雇用契約が、契約期間の満了までは解雇はもちろん、契約終了にならないはずですから、それを期間の途中で契約終了にするためのそれ相応の理由が必要になっています。

 

契約期間の途中での雇用契約の終了は、会社からの一方的な意思表示ですので、解雇として取り扱われ、あとは、解雇権の濫用かどうかをみることになります。

 

したがって、そのために会社には、解雇するためのやむを得ない事由を労働者に示す必要があること、示した事由がやむを得ないものであると認められることが求められています。

 

しかもこれは、通常の解雇に適用される解雇権濫用法理(解雇の理由があるか、解雇は酷ではないかの2段階審査)よりも厳しく求められています。会社にとってはかなり高いハードルになっているわけです。

 

雇止めになった場合に労働者が確認すべきこと

 

有期雇用契約について

  • 有期雇用契約の契約期間はどのくらいか
  • 有期雇用契約は更新されてきたか
  • 有期雇用契約の更新はどのくらいの期間で何回されたか
  • 有期雇用契約の更新手続きでは、雇用契約書(労働契約書)がきちんと交わされてきたか
  • 有期雇用契約の更新手続きでは、労働条件が説明されてきたか
  • 有期雇用契約の締結や更新では、契約を解除する場合の基準となる内容が明示されたか

 

具体的には、つぎのようなことの明示がされているかが重要になります。

契約更新の有無について

     ●自動的に更新する ●更新する場合があり得る ●契約更新はしない ●無期雇用へ転換

    などの明示があったか

契約の更新の判断について

     ●契約期間満了時の業務量  ●勤務成績・態度 能力  ●会社の経営状況 

     ●従事している業務の進捗状況  ●その他

    などの明示があったか

    近年では、契約更新の要件の中に、「無期社員登用試験に合格しなかった場合」は、「契約

    が終了する」あるいは「〇年を超えることがない」と記載し、これに該当したので、「〇年

    〇月〇日で退職となります」と通知してくるケースがあります。

 これには、5年無期雇用を免れる意図がある場合もあるのですが、非常に微妙な問題が複数隠れています。試験に合格しなかった場合に有期雇用契約が終了すると制度設計することは許されるのか、これを5年になる前に行うことは許されるのかなどの問題です。

 

2021年になって、この問題を扱った裁判例も登場しています。こうした問題が顕著になってきたことの現れと言えます。

 

従いまして、追加として、このような条件設定がされている場合には、そのやりとりや会社の発言内容の記録にしておくことが肝要です

 

 

有期雇用契約の終了について

  • どのくらい前に有期雇用契約の終了や打ち切りを言われたか。
  • 有期雇用契約の期間満了による終了の場合で、退職届の提出を求められたか。
  • 有期雇用契約の期間満了による終了の場合で、退職届を提出したか否か。
  • 期間の途中の解雇の場合、解雇予告手当はどうなっているか、受理したか否か。
  • 退職金は支給されているか、受理したか否か。
  • あなた自身が、有期雇用契約の更新や雇用継続に期待感があったとするとその要素はどんなことか。
  • あなた自身が、形式は有期雇用契約だけど、期間の定めのない契約と変わらないと思うとするとその要素はどんなことか。

 

行っていた業務について 

 ● 継続的な業務か、一時的業務か、プロジェクトのように期限がある業務か

 ● 派遣の場合、わかれば、派遣元と派遣先の派遣契約内容(業務・期間など)

 ● 業務内容や契約期間が誰が決定していたか

 

労働者が行っておくべきこと

有期雇用契約の締結や更新時の雇用契約書または労働条件明示書保管しておくこと。

有期雇用契約の労働者に適用になる就業規則がある場合は入手しておくこと。

※  有期雇用契約の労働者に適用すると限定した表記がない場合は、通常の正社員用の就業規則が適用になる可能性もあるので、それを入手しておくこと。

断じて雇止めは受け入れられないなど異議を申し立てておくこと(口頭では何ものこらないため書面などによる通知がベスト)。正確には、契約更新を希望する内容がベストです。

  ・新たな労働契約書、そのほか会社へ提出する書面等に異議内容を記載する

  ・内容証明郵便で送達する

  ・異議内容を書いた別書面を提出する

  内容証明以外は、会社に提出する前に自分が書いた記録の証としてコピーをとる

 

社会保険労務士からの補足

2013年4月施行の改正労働契約法による5年を超える有期雇用契約の労働者の申込による無期契約への転換の場合は、もっとグレーな点を吟味しなければならなくなります。施行が2013年4月で、4月以降に開始する有期雇用契約が対象ですから、それに関係する雇止めの問題は2018年4月から起きていますが、これまでの有期雇用契約の問題と基本的なことは共通ですので、契約書や労働条件明示書などはしっかり保管することをお勧めします。

 

特筆すべき点としまして、恣意的に5年終了を目的としているような企業の言動がある場合などが典型的な違法性のある行為になります。契約と契約の間に、一方的に6か月以上の空白期間を設けられ、強制的に無期雇用転換の対象外とされたなども法律を悪用した典型例です。そのほか、無期雇用転換を遮断されていると考えられる気になる点などありましたらご相談いただければと思います。

 

このように、法律に条文化された判断基準とはいえ、現場の実態をみる場合は、かなりグレーな要素を対象にしますので、自分であれこれ決めつけてかからずに、まずはご相談ください。労働問題すべてに共通ですが、関係資料はすべてお持ちください。お待ちしております

 

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