休職と傷病手当金

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 セクハラ・パワハラ、モラハラなどが原因となり、うつ病、心因反応、適応障害などの精精神疾患を発症している事例が多くあります。当事務所に相談に来られるほとんどの方が、精神疾患をかかえてお見えになります。

 

 その際に、活用できる制度としまして、傷病手当金があります。社会保険の健康保険が適用になっている方は、情報を入手できている場合が多く、申請手続きを逃すケースはないと思われます。

 

しかし、一部の方はご存知ない方もいるため、ここで整理しておきたいと思います。また、傷病手当金は知っていても、支給に向けたポイントを知らずに、途中で傷病手当金が打切りになる例もあります。合せて整理しておきます。

 

1 傷病手当金と支給条件

傷病手当金は、業務外のけが・病気を負ったために、休職(この場合の休職は仕事を休んだという意味)した際の所得補償の給付金です。よって、傷病手当金をもらうための条件は、ざっくり言うと次の3つだけです。

 

  • 業務外のけが・病気である
  • 療養のため労務不能である
  • 給料が支払われていない

 

補足しますと、けが・病気の原因が業務外、つまり、業務と関係ないけがや病気であればいいというものです。は、主治医が、労務不能と認めることが全てです。傷病にかかった本人が、労務不能と言ってもだめです。問題なのは、「療養のため」です。

 

傷病手当金申請でいう、「療養のため」は、決して、入院していないとだめというものではありません。自宅で療養していてもかまいません。また、「療養のため」だから、「自宅から出てはだめ」というものでもありません。

 

パワハラの一つに、「療養中なのに外を出歩いて映画をみていたのだから、会社は療養中と認めないので傷病手当金申請書の会社記載欄には記入・押印はしない」というものがありました。もちろん、傷病手当金申請の妨害行為です。傷病手当金の申請人は会社ではありません。

 

付け加えますと、精神疾患の場合などは、映画を見ることや自宅以外の場所で一時を過ごすことも、気分転換になるため、療養行為とまったく関係ないことにはならないと考えられます。うつ病などの多くは、気分障害とも言われるのです。

 

傷病手当金申請のためには、「療養のため労務不能」であることが必要ですが、多くの場合で、最初の主治医からもらう診断書に基づく休職の労務実態が決め手になります。従いましてあまりナーバスになることはないかと思います。

 

給料の条件は、休職の間は、会社は給料を支払いませんので、条件をクリアしているかをチェックしなくても、大丈夫かと思います。ただ、中途半端に給料が支払われた場合は、注意が必要です。

 

傷病手当金の支給金額以上に給料が支払われると傷病手当金はもらえなくなります。逆に言えば、給料をもらった場合は、その金額が傷病手当金の支給額よりも少ない場合は、その分の傷病手当金の支給が対象となり得ます。なり得ますというのは、決定は行政機関だからです。

 

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2 いくらもらえるのか(支給額)

 全国健康保険協会の各都道府県支部に申請をして、傷病手当金の申請をして支給が認められると、傷病手当金が支給されます。

 

その金額は、社会保険料を算定する基礎になっている賃金の月額を標準の月額に換算する標準報酬月の3分の2の金額となります。

 

ざっくり言えば給料の3分の2と捉えていいかと思います。21万の人なら14万円、27万の人なら18万円です(ぴったりこの金額ではなく、目安です)。

 

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3 傷病手当金申請の注意点

 傷病手当金は、1で記載した3条件をクリアしている限り、最高1年6か月の期間を上限に支給が受けられます。申請の際の注意点を整理しておきますので参考にしてください。

 

申請は毎月行う

必ず、毎月申請しなければいけないという意味ではありません。基本的に、時効を気にしなければ、申請の期間・タイミングは自由です。

 

申請のタイミングは、数か月分まとめてよりも、毎月申請するほうがタイミングがつかみやすく、休職していてもリズムがつかみやすい。毎月請求することで、国から毎月振り込まれますので、生活も楽かと思います。

 

ただし、初回の申請までに数か月申請していない月がある場合は、初回のみまとめて申請しましょう。

 

医師の記述がすべて

 傷病手当金申請書の4枚目は、療養担当者、つまり主治医が記載する用紙になっています。「療養のため労務不能」を証明してもらう箇所です。ここに主治医が何をどう記載するかがすべてです。初めの1・2枚は自分で記載しますが、そこになんと書いてあるかはあまり重要ではなく、行政は、主治医の記載でみます

 

主治医の記載は、どのような治療を行ったかなどを詳細に書くようになっているのですが、ほとんどの主治医は、そのような記載趣旨に沿って書くことはありません。治療内容など何も書いていないことも非常に多くあります。

 

たとえば、「労務不能である。引き続き療養を要す。」と言ったように、非常にあっさり書かれていたりします。これでは治療内容などまったくわかりません。また、「労務不能だが、症状が緩和しているときは、就労も不可能ではない。」などの記述は最も困惑を招きます。

 

いくら主治医が、労務不能に重きを置いて書いたのだとしても、行政は紙の上でしか判断しません。「症状が緩和しているときは、就労も不可能ではない。」を読めば、労務不能とは言えないのではないかとみる場合もあるわけです。

 

しかし、請求人は、傷病手当金の支給が停止された際に、主治医の記載が間違っていると言っても、行政はまったく受け付けてくれません。ここは知っておきましょう。

 

では、「こう言うことは書かないでください」「こう書いてください」と主治医に言えばいいのではないかと思われる方も多いでしょう。しかし、行政が主治医に照会を掛けた際に、主治医は、本人から「こう書いてくれと訴えがあったため」と通知します。要するに、「医師としても見解ではなく、本人の主訴のため」というものです。

 

こうしたことがあると、傷病手当金は支給停止になるほうに傾く可能性があります。自分では、コントロールできにくい点ですが、非常に重要ですので、極力注意しましょう。

 

会社が3枚目の証明を書いてくれないとき

 ハラスメントが関係した傷病の発症で休職した場合に、よくあることなのですが、会社が傷病手当金申請書の3枚目に証明を書いてくれない、あるいは、3か月もかかってやっと証明を書いてくれたということがあります。

 

 傷病手当金申請書の3枚目とは、会社が、一月単位に、欠勤、公休、有給休暇などの区分を記載し、賃金を支払ったか否かを書き、支払った場合は、いくら支払ったか、日割の計算方法などを書くようになっています。会社の代表取締役と代表取締役印も必要です。ここが非常に鬼門です。

 

もし、会社がこれを書いてくれない場合ですが、会社にひたすら書いてくれと言うしかありません健康保険協会に言っても、協会は動きません。どうしても動かないときは、傷病手当金の証明を記載することをあっせんを求める事項で要求する方法をとることも必要です。あっせんで傷病手当金申請の用紙の記載を要求することはそこそこあります。

 

傷病手当金申請書の3枚目の会社の証明が必要なのは、在職中の期間についてだけです。退職したあとの期間については会社の証明は必要なくなります

 

退職しても傷病手当金は申請できる

 これもよく相談されます。「退職しても傷病手当金は申請できますか」と聞いてきてくれる方はいいのですが、勝手に、退職したら傷病手当金の申請はできないと決めつけて申請していない方の場合は大変です。

 

ただ申請してないのであれば、たとえ1年前のものでもなんとか申請できるのですが、申請できないと思い込んだ瞬間に、通院しなくなっている場合があります。これが大変なのです。

 

主治医に定期的に通院していないと、行政の見る目は非常に厳しくなります通院=療養する姿勢ありとみますが、通院していなのだから、「療養のため」の要件を満たしていないと判断します。

 

豆に通院、豆に処方通り服薬する

 通院はで述べた通りです。薬の服薬も行政はみています。精神疾患を発症した方の中には、薬が合わなくて飲んでいないとか、薬を飲むと症状がきついので服薬を半分にしているとかなどの方も多くいます。

 

本人にしてみれば、体調を見ながらのごく自然な動きなのですが、行政はそうは見ない傾向にあります。薬が出ているのに、ちゃんと服薬していないということは、「療養のため」を満たしていないと見ます。

 

こうしたことは、審査請求時にも汚点になります。

 

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