このページでは、労働基準監督署について記載しております。最後までお読みいただければと思います。

労働基準監督署は、何でも相談を受けてくれる駆け込み寺というわけではありません

最近、頻発しておりますパワハラや退職追い込み、退職勧奨、退職の話などは、労働基準監督署に話しても業務範囲外なのです。

 

労働基準監督署を知らない人はいないでしょう。働いている方は、労働で何か起きるととりあえず労働基準監督署へ電話します。労働基準監督署は行政機関かつ無料であることから、労働基準監督署をたよる行為に拍車がかかっています。

1 労働基準監督署は労働基準法にハッキリ書いてあること以外は口出ししない

労働基準法にはっきり書いてあることとは何でしょうか?

基本的なこととしてはざっくり次のようなものです。

  • 雇入れのときの労働条件の明示
  • 会社が働かせてもいい労働時間の上限(1日、1週)
  • 1日の労働の開始時刻と終了時刻
  • 会社が、その法律の上限を超えて働かせてもいいさらに上限の労働時間と手続き
  • 会社が与えなければいけない休日数(週1日または4週4日)
  • 会社が与えなければいけない休憩時間(6時間超えは45分、8時間超えは1時間)
  • 有給休暇の権利が発生する要件と日数
  • 労災保険給付などに使う平均賃金の計算の仕方
  • 労災申請で必要なもの(何があったほうがいいかは業務範囲外
  • 賃金のルール(締日、支払日、計算期間、支払方法、全額支払う)
  • 法定外労働に対する割増賃金(法定時間外労働、深夜、法定休日に対する賃金)
  • 最低賃金
  • 解雇予告期間と解雇予告手当のルール
  • 年少者(未成年者、18歳未満、15歳要件)
  • 産前産後の就労
  • 安全衛生管理(健康診断、有害・危険な業務など)

  etc・・・・

以上のことについて労働基準監督署は、労働基準法に明確に書いているので、行政の立場から助言などができる、いわゆる労基署の業務裁量の範囲内の事項と考えられます。しかし、業務裁量の範囲はさほど広くはないようです。労基署は国です、つまり、国は民事不介入ですから、職務上の業務権限として介入できる範囲に限界があります。

 

では、労働基準監督署があまり明言をしないこと、介入できないこととはなんでしょうか?

たとえば、

  • 解雇が妥当か違法か
  • 退職に追い込まれているんだけど・・
  • 労働契約が成立しているかどうか(内定や内々定のときの問題です)
  • 請負か雇用か委任か、その定義は、自分のは定義にあてはまるのか
  • 退職か解雇か(最近は曖昧なケースが非常に多くなっています)
  • 退職と言えるのか(自主退職=辞職か、合意退職か、正常でない退職意思か・・・)
  • 配置転換が妥当かどうか
  • いじめ・嫌がらせ、パワハラを受けていて「しんどい」から何とかできないか
  • 人事評価が公平になされているか
  • 競業避止義務の内容は違法かどうか
  • 懲戒処分に該当するかどうか
  • 整理解雇の有効性
  • 派遣切りの違法性
  • 有期労働契約の解除(雇止め)の違法性
  • 休憩時間や仮眠時間、手待時間が労働時間にあたるかどうか
  • 労災保険申請でそろえたほうがいいものは何か

  etc・・・・

こうしたことは、労働基準監督署は業務範囲外の事柄になり、ほとんどノータッチの姿勢となるようです。労働基準法に書いていない、グレーなこと、個人の任意・自由であるもの、民法に関すること、民事的判断を要することなどは、労働基準監督署は業務範囲の事項ではないため、明確な助言ができないと考えて立ち向かう必要があります。

労基署に対し、「会社に言ってほしい」と頼んでも難しいかもしれません。

労働問題は、後で挙げました、グレーゾーンのことがほとんどです。そのほとんどのことについて労働基準監督署は業務範囲外となってしまいます。

法律でいうと、同じ労働法というくくりなのに、労働契約法の領域はほとんとタッチしてきません

仕事柄、労働基準監督署にいくと、解雇されたらしく、労働基準監督署の職員を前に一生懸命にことの顛末を話したり、中には怒鳴っていたりする方をお見かけします。「この解雇はおかしいだろ。俺は何も首にされる理由はないよ・・・」と懸命です。時に「労働基準監督署だろ!」といった声を聴くことがあります。労働問題の当事者は真剣です。

しかし、いくら粘っても労働基準監督署は、解雇が正当か違法かの判断はしません。グレーゾーンの法的判断はしないのです。

この点は、肝に銘じておきましょう。もし、グレーゾーンの問題で労働基準監督署に行こうとしていた方は、行って話しても時間と労力がムダになる可能性があります。不安な場合は、前もって管轄の労基署に電話してから訪問すると間違いないでしょう。

従来は、「労基署とは以上のような状況です」と話していただけでしたが、最近はさらに付け加えなければいけなくなっています。労働者からみると、上記だけでもひどい対応と評価されるかもしれませんが、最近の労働基準監督署は、相談窓口にいくと、手短に相談者の話を聞き、

あっせんがあるからあっせんでやってみたら・・。これがあっせん制度の内容で、あっせん申請書の用紙と書き方ね。」(この場合のあっせんは労働局のあっせんであり、労働委員会のあっせんではありません)

と相談者が相談に行くとすると、かなりの人数の方に言っているようです。

どうも、あっせん案内所になってしまっているようです。冒頭の労働基準監督署の業務範囲の内容であってもです。

上記は、あくまでも当事務所に相談に訪れます相談者の話からうかがわれることです。

 

2 労働基準監督署の面談担当者

労働基準監督署で働いている方は、みんな労働基準監督署の正式な職員とは限りません。

労働相談コーナーに陣取っている職員は、臨時の外部職員のケースが多くあります。新人の社会保険労務士の場合もあります。最初に相談を対応する方は、みなさんが知っている労働基準監督官でないことがほとんどです。

確実ではありませんが、相談者の話を形式的に聴き、記録を残し、労働基準監督官につなぐ役目をするだけの方かもしれません。

したがって、その方に一生懸命話しても、あまりコメントはしてもらえない可能性があります。上記の通り、ましてや解雇が違法かどうかについては具体的なコメントはないと考えた方がいいでしょう。「それは労働基準監督署の仕事じゃないので・・」と言われてしまうかもしれません。

中には、熱心に聴くだけで、法律を知らない方が相談担当者ということもあります。

もし、仮に、相談に行ったときは、必ず、対応した方の日時氏名を記録しておきましょう。

記録したメモやノートなどは、あっせんなどで「なぜ労基署で解決できなかったのか、労基署はどのような対応だったのか」を問われた際に、有効な資料となり得ます。

実際にあった事例ですが、相談時に労働基準監督署が言ったことが、後で間違っていたとわかることがあります。

相談者ご本人はわからないのですが、相談者がいろんなところに相談しに行って説明されて判明します。

 

3 では、労働基準監督署はグレーゾーンの問題をどうするか

そんな労働基準監督署の狭い対応ですが、管轄外の内容ですとどうするのでしょうか? 

 「労働基準監督署で言えることは、・・・・・ということだけだね。あとは、あっせんといって、公の場所を利用して話し合いの調整で、解決する方法があるし、法的に判断したいのなら裁判だけど・・とりあえず、労働局の相談・助言というのがあるから、労働局へ行ってみたら。」

必ずではないですが、こんな内容を言われることが多いようです。

つまりこうです。労働基準法に書いていないことは、労働基準監督署の領域ではないので、民事的な話し合いなど助言は、労働局へ行ってと言っているわけです。

労働基準監督署がいかなるところで、何をどこまでやるのか、少しは垣間見ることができたかと思います。

 

4 しかし、労働基準監督署のほうが早く解決するものがある

グレーゾーンの問題は労働基準監督署は強気になれず、守備範囲でもありません。

多くの方が普段は何も言わないのに、揉めると言い出すことがあります。

典型的には、未払い残業です。

未払い残業は、労働基準監督署は結論が早く、相手の会社に何をなすべきかが一発でみえる化できます。

深夜手当休日手当も同様です。

 ただし、前提として、労働者の主張する労働が労働時間に該当すると言えるのかという問題が関係している場合で、グレーな領域の場合は、労働基準監督署が適切に対応できないことがあります。また、基本給やある手当に含めて残業代を支払っていると会社が労基署に主張する場合も、最近の傾向としましては、労基署は会社の主張を覆すところまでの動きはしないように思われます。

こうしたことは、労基署の担当者によっても温度差がありますので、とにかく、労働基準監督署に労働相談に行き、現状の実態を話して確認しましょう。

未払い残業問題は、別に損害賠償請求の問題がないのであれば、労働基準監督署のほうが解決は早いかもしれません。

相談のあとは、「申告をする」と言ってください。所定の用紙がありますので、自分でそれを書きます。

さらに、ご希望であれば、その会社のほかの従業員も残業未払いなので、その会社の労基法違反自体、全員のことを申告してもかまいません。

例外はありますが、確実な労基法違反は労働基準監督署の方が早いというのが実感です。

労働基準監督署の話を聞いただけで、もう、労働問題の何割かは終わっています。

労基署の対応にチャレンジすべきか否かのおおよその判断は、労基法や労働安全衛生法の問題かどうかが一つの目安になります。

また、仮に労働基準監督署を頼るにしても、詳細な事実を伝え知っていただく必要が場合がほとんどかと思われますので、電話で述べるのではなく、行って対面で資料やメモ、出来事の時系列、出来事の詳細な記録などを持って話すことが賢明です。

 

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