あっせんによる解決方法

 あっせんとはどんなものか

会社に訴えても改善されない

 

重 要

労働基準監督署に相談に行くと、簡単に労働局のあっせんを勧めます。「この紙を出してもらえれば労働局に行かなくても監督署で受付できるから・・・」。このあっせんの勧めにのってあっせん申請書を記入して出してしまわないようにしましょう。あっせん申請の手続きは可能でも、紛争解決が思ったようにコントロールされるためには、申請書の提出だけで簡単に実現できるわけではありません。それなりの準備が必要なのです。

 

大事な点がもう一つ、労働基準監督署は厚生労働省の下のお役所ですから、同列に属する労働局のあっせんしか勧めません。これは禁物です。労働委員会のあっせんがあります(ただし、東京・兵庫・福岡は労働局のあっせんのみ)。当事務所で両方のあっせん制度を説明させていただくと、100%、「労働委員会のあっせんでお願いします!」となります。

 

あっせんについての説明はこのページの下にあります(図もみてください)。

 

あっせんは、会社と労働者(あるいは、元労働者)の間で、自主的に話し合って解決することが難しい紛争について、公的な紛争解決機関の力を借りて、譲歩により早く、効率よく解決しようとする調整による紛争解決制度です。

 

あっせんによる紛争解決は、労働者と会社との間で紛争が発生していることが前提です。たとえば、会社に対応などを申告・報告したが、意見に食い違いがある、適切な対応等がない、支払いを求めたが支払わない、セクハラ・パワハラの声をあげたが何も対応がないといった状態です。

 

あっせんの基本は、公の場での会社と労働者(あるいは、元労働者)による話し合いです。

あっせんを一言でいえば、争いとなっている企業側と仲直りすることです。

 

したがいまして、仲直り、つまり、紛争を早く終結させたいとの気持ちではなく、徹底抗戦という方や法的な判断を求めたいという方は、3年4年5年かかっても裁判をしたほうがいいでしょう。このような趣旨の場合は、あっせんは適さないかもしれません。

 

話し合いといっても、向かいあって顔を突き合わせるわけではありません。用意された部屋に交互に入り、あっせん委員が事実、主張、請求内容を確認しながら、和解に向けてコントロールしていきます。

※ 完全に白黒をつけるのは、日本では裁判のみで、それ以外は調整することによる解決が基本です。

 

調整か・・と思うかもしれませんが、現時点では、もっとも手間がかからず早く解決する方法です。

それに労働者にとってあっせんが有効となり、他の制度にはない最大のメリットは、極端な話、証拠がなくても何とかなります。もちろん、あるに越したことはありませんが、なんとかなります。その点では、法規定もない、証拠も絶対と言えるものはない、ハラスメント問題の解決などにはすこぶる有効です。

 

法律事務所に行って、「証拠がないんでしょ、難しいね」「お金持出しでもいいならやるよ」などと言われても、あるいは、「パワハラ・・」と言ったとたんに「無理だね」などと言われても、あっせんなら何とかなるかもしれません。その意味では、その紛争、まだ諦めるのは早いかもしれません。

 

また、公的機関から依頼されたあっせん委員が調整作業を行いますので、当事者だけで話し合うよりも、

効率よく解決が実現できます。

 

それに、話し合いと言っても、公的な第三者が入り、事実関係の確認主張に関するやり取りなどはなされますので、事務的なものとは違います。また、最終的な結論は、申請人の意思によります。

 

あっせんを利用した場合、紛争が解決することも、解決しないで終了することもあります。

いずれにしても、1回の期日、約2時間程度であっせんが終了します。

 

 あっせんを利用するメリット

 

結論が、1回の期日、だいたい2時間程度で出る(短期間)。

当事者どうしだと水掛け論になることもスムーズにコントロールされる。

会社と労働者の労働問題(個別労使紛争)の解決専門である(労働専門)。

労働審判や訴訟にくらべ、柔軟で簡単に利用することができる(簡易)。

労働基準監督署と違い、賃金・労働時間・休日だけではなく、それ以外でも何でも対象になる。

社会保険労務士を全面的に代理人として活用できる。

社会保険労務士を活用しても、他の紛争解決方法にくらべて費用がすごく安い低コスト

非公開なので、個人情報、話し合いの内容など一切が外に漏れずに安心(安心)。

 数時間で仲直りができる最も便利な手段(早期の仲直り)。

 

当事務所の強みと姿勢

あっせんによる紛争解決制度が整備された2003年から、あっせんによる紛争解決業務を行っております。

豊富なあっせんによる紛争解決経験から、熟知しているポイントをお伝えしています。

解決方法があっせんだとしても、労働局、労働委員会、いずれの解決機関がよいか的確なアドバイスをします。

ほんとうにあっせんによる解決がいいのかを含めて当事者の立場でご提案します。

ムリに、あっせんによる紛争解決を勧めません。

 

 

 あっせんが対象とする紛争

 

あっせんによる紛争解決が対象とする紛争は、使用者と労働者(あるいは元労働者)、いわゆる、会社と従業員(あるいは元従業員)の間の紛争=個別労使紛争です。

 

具体的には、

解雇、雇止め、内定取り消し、配置転換、出向、昇進・昇格、労働条件(賃金・休日・労働時間など)の不利益変更など労働条件に関する紛争

セクシャル・ハラスメント(セクハラ)、いじめ・嫌がらせ、パワー・ハラスメント(パワハラ)など職場環境に関する紛争

労働契約の承継、同業他社への競業禁止などの労働契約に関する紛争

その他、退職に伴う研修費用の返還、営業車等会社所有物の破損に係る損害賠償をめぐる紛争

 

対象とならない紛争

労働組合と事業主(使用者)の間の紛争

労働者と労働者の間の紛争

裁判で係争中であるまたは確定判決が出されている等、ほかの制度において取り扱われている紛争

労働組合と事業主との間で問題として取り上げられており、両者の間で自主的な解決を図るべく話し合いが進められている紛争

募集・採用に関する紛争

女性であることを理由として差別的取扱いなどをされた女性に関する一定の紛争

正社員と差別的な取り扱いなどをされたパートタイマー労働者に関する一定の紛争

育児介護休業、勤務時間の制限などに関する一定の紛争

 ※ 6からは8は、雇用機会均等室による調停による解決になります。

    ⇒ 雇用機会均等室による調停についての詳しいことはこちらです。

 

  ⇒ あっせんによる紛争解決事例

 

 あっせんによる紛争解決の流れと内容

 

あっせん制度は、2種類整備されています。

都道府県労働局の委任による紛争調整委員会によるもの

都道府県労働委員会によるもの

 

です。大きな流れは同じですが、細かな点で違いがあります。

 

労働局紛争調整委員会と労働委員会のあっせんの違い

 

  労働局紛争調整委員会 労働委員会
あっせん申請から開始されるまで 申請人(労働者)からの申請書等申請がなされた旨を郵送で通知するのみ 相手方の会社に赴いて調査などをして、申請がなされた旨を通知する

あっせん委員の数

1名選出 3名選出(公益の立場・労働者の立場・使用者の立場の3人)

 管  轄 

厚生労働省⇒各都道府県労働局 各都道府県庁

こうした仕組み以外の点で双方の重要な相違点は、

あっせん申請後ですが、労働局は、応じるか否かの返事を10日以内にと要請するするのが一般的です。従いまして、企業の返事は、申請から2週間を目途に判明します。労働委員会は、相手からの応じるか否かの返事の期限がありません。あまりに遅いと「なるべく早く」などと言っているようですが、返事は企業のペース次第になります。特に、弁護士が介入したり代理人になったりすると、返事がかなり遅くなります。

労働局はあっせんの方法・雰囲気やあっせんの時の待機の仕方がラフです。あっせんの時に、審議部屋にも事務局の方が1名とあっせん委員1名です。それと大事なことですが、公正中立にあっせんを行っていると感じます。一方労働委員会は、あっせんの雰囲気は、しっかり、仰々しくやります。あっせんの開始と終了時に儀式があります(申請人本人は出たくなければ出なくてもいい)。審議もしっかりした雰囲気です。審議部屋には、事務局スタッフだけで5−6人も座っています。あっせん委員は公労使の立場の者3名です。必ずではないですが、公益委員は、大学教授や弁護士もおりますが、下水道局の理事長など都道府県に由来する業務を営む相応の立場の者もおり、使用者委員は、企業の代表取締役や経営者協会の者など経営に関係する者、労働者委員は、労働組合関係者がなっているかと思います。労働委員会は、都道府県の組織ですので、都道府県に関係する立場の者が委員になることが多いようです。労働委員会のメリットは、あっせん申請後に、事務局スタッフが、企業に調査訪問して、制度説明、主張内容の通知や確認などがされることです。デメリットは、都道府県に関係する業務の立場の者であるあっせん委員にあたった場合、労働問題への適応性がどこまであるのか、疑いたくなる姿勢がみえることでしょう。公正中立に行ってるのか?と思えることもあります。

 

ざっとこのようですので、よくよく検討して、労働局にあっせん申請するか、労働委員会にあっせん申請するかを決めたほうがいいかと思います。

 

多くの現場実務を経験しておりますので、詳細は相談時に説明させていただきます。ぜひご相談ください。

 

 

あっせん手続きの流れ

 
 
                  紛争調整委員会による、あっせん手続きの流れ 
 
(注1)
必要に応じて申請者から事情聴取等を行い、紛争に係る事実関係を明確にした上で都道府県労働局長が紛争調整委員会にあっせんを委任するか否かを決定します。
(注2)
申請内容を被申請人に的確に伝えるため、あっせん申請書の写しを被申請人へ送付することがあります。
(注3)
あっせん開始の通知を受けた被申請人が、あっせん手続きに参加する意思がない旨を表明したときは、 あっせんを実施せず、打ち切ることとなります。
 
                                               (資料出所:東京労働局HP)
 
 

労働委員会によるあっせんの流れ 

 

1 申請

 紛争の当事者からの申請により、あっせん手続が開始されます。

2 あっせん員の指名

 会長が担当、あっせん員3名を指名します。

3 事前調査

 相手方のところに赴いて事情を聴取する等、調査を行います。

4 あっせんの実施

 あっせんは、通常、労働委員会室において労使個別に意見を聴取することによって行います。

5 あっせんの終結

 あっせんは、解決、打切り、取下げによって終結となります。

 

 中央労働委員会の以下の案内は重要です。

   (注1) 東京都兵庫県福岡県の各労働委員会では、個別労働紛争のあっせんを行っていません
   (注2) 神奈川県大阪府では、個別労働紛争のあっせんは、原則として、労政主管部局が先に行います。
   (注3) 中央労働委員会では、個別労働紛争のあっせんを行っていません。

 

 ⇒ 労働局についてはこちらへ

  労働委員会についてはこちらへ

 

 ⇒ セクハラ・パワハラ、退職勧奨・解雇、退職追込み、退職、労災など労働問題について詳しく 

 ⇒ あっせんのための準備

 ⇒ あっせんのメリット

 

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