1 「あっせん申請書」のみでは損をする

 

 あっせんに必要な書面は、労働局及び労働委員会(行政)とも、「あっせん申請書」が必ず必要な書面です。

 

 労働局の「あっせん申請書」は、統一されていて共通です。これは、労働局の管轄が厚生労働省、つまり国だからです。

 

 労働委員会の「あっせん申請書」は、各都道府県の労働委員会によって微妙に異なります(たとえば、「申請に至るまでの紛争の経過」の記載の形式など)。ただし、求められている記載内容はほぼ同じです。これは、労働委員会は各都道府県に属するからです。

「申請に至るまでの紛争の経過」は、当事務所の経験ですが、以外にも非常にとてつもなく重要です。

 

 いずれにしても、A4サイズの申請書を作成して提出することになります。

労働局も労働委員会も、行政の手続きとしては「あっせん申請書」のみで、受け付けてくれます。

あくまでも受け付けるということで、紛争解決に有効に働くかは別です。

 

よく労働基準監督署に相談に行った際に、「まあ、労働局のあっせんがあるからやってみたら・・、用紙はこれを出せばいいから、申請は労働局に行かなくてもここでもできるよ・・」などと言われることが非常に多くありますが、「用紙はこれを」は、「あっせん申請書」を言っています。

 

行政はあっせん申請書を出せばいいだけというニュアンスで言ってきます。行政に、労働問題や労使紛争を解決できるかという視点はありません。受付できるか否かだけでの視点で言っています。言われるまま、その場で「あっせん申請書」をさっと書いても、心証のいいあっせん申請書にはなっていないことが多くあります。労働基準監督署のあっせんの勧めは、参考程度に聞くに留めておきましょう

 

紛争の当事者にとって、あっせんは1度きりですから、必死です。申請書のみでは、具体的な主張内容やその根拠など伝わらないことがたくさんあります。また、資料も準備して、きちんと整理した形で提出したほうが、より心証がよくなります。この点を重視する必要があります。

 

さらに、「あっせん申請書」の記載内容記載方法は、心証に結びつきますので非常に重要です。提出できればいいと、言いたいことを書けばいい式で書きますと、感情論中心のものになってしまいます。これでは、心証が良くなるどころか悪くなってしまいますので、非常に損をします

 

 

2 「申立書」「理由書」などが有効

 

 「あっせん申請書」以外に、当事務所では、「申立書」または「理由書」を作成しています。だいたい10数ページになることが多いのですが、この中にすべてを盛り込みます。

 

あっせん期日におけるあっせんの審議あっせん委員からの質問等を中心とするやりとり)は1時間ほどです。この短い時間で、あっせん申請書のみで臨むと詳細な事実や根拠などは土俵にのらずに終わってしまう可能性が高くなります。なにより、事実がどうでもよいスタイルのあっせんになります。労働者と使用者(会社)の主張のみを聞き、金額の工程などを調整するだけのあっせんになりがちです。

 

その点、事前に詳細に記述した「申立書」「理由書」があると、あっせん期日までに、あっせん委員が詳細な紛争内容を認識することができます。それを踏まえた、突っ込んだ質問になることにもなります。あっせん委員の心証形成も違ってきます。

 

当事務所では、「申立書」「理由書」の作成に最も多くの時間を費やしています。事件内容によっても違いますが、「申立書」「理由書」で伝えることができるか否かを想定して、紛争解決の形を想定したりもします。この部分は、一般の方がまったく見えにくいところかと思います。

 

「申立書」にするか、「理由書」にするか、「陳述書」にするか、あっせんの場合は、どれがいい、どれがおかしいということはありませんが、当事務所では「申立書」または「理由書」がぴったりくると考えています。

 

ただ、最近は、タイトルによって記載内容に違いがあるわけではないのですが、タイトルにより、労働局などの対応や取り扱いに温度差がある場合があり、「陳述書」がスムーズにいくこともあります。提出先の労働局などにより温度差があり、そのことを熟知していますので、臨機応変に対応させていただきます。

 

3 資料をきとんと揃える

 

 労働者のみの申請の場合、あっせんは主張の調整だからと「あっせん申請書」のみで何も資料を付けない労働者の方がたくさんいます。しかし、きちんと伝えるためには、きちんと資料をつけるべきです。

 

「申立書」「理由書」などの書面をしっかり作成し、その根拠となるように資料を順番に整理して添付します。揃える際は、あっせんの事務局担当者やあっせん委員など第三者がわかりやすいように、見やすいようにすることが大切です

 

これまでときどき目にするのが、資料に労働者自身の感想や感情などを書き入れてしまっているパターンです。たとえば、就業規則のある規定の箇所に、「今まで指導したことなんかあるんですか?」「会社だって違法なことをしているのによく言いますよ」などの感情的な書き込みは厳禁です。基本的に資料は原始記録のままを添付すべきです。

 

特に、パワハラやセクハラは、一言や一つの動作、その背景、行われた時期、会社に行為について告げている事実、相談の事実などが重要になってきますので、それらが疎明されている資料を付けることで、心証が違ってくると思われます。

 

あっせんの手続き書面を受け付ける事務局担当者やあっせん委員は、割ときとんと書面や資料に目を通してくれているというのが当事務所の印象です。まず、ちゃんと読んでくれているようです。

 

ただ付ければいいというものではありませんが、「こんなにつけてもどうせ見ないだろう」と思うことは早計すぎます。読んでくれる、見てくれるという前提で揃えることが重要です。

 

もし、「証拠資料などない。だめか・・」という場合でも、あきらめないでください。あっせんなら和解に持っていけます。資料はあったほうが景色はまったくいいのですが、あっせんは、証拠ありきではありません。和解金の額は不確定ですが、和解に、紛争解決にもっていけるのです。

 

4 「資料説明書」を付ける

 

 あっせんにおいて、なぜその資料を付けたのかを明らかにしておくことは非常に重要です。きちんと整備していることの証にもなります。

 

当事務所では、きちんと一覧表にして、主張する根拠と資料を結びつける役割を強化しています。一覧表のタイトルは、証拠とまで言えない疎明レベルの資料もありますから、「資料説明書」として、一覧表などにしています。少なくとも、資料一覧は必要と考えます。

 

疎明レベルの資料とは、たとえば、ハラスメントを記録したものや自主的に作成した労働時間の記録、残業手当の計算表などです。

 

あっせんは、労働局、労働委員会がありますが、どういう形式の書面を作成して付けるかに制限はありません。事務局担当者も、「なにか、資料などがあったら出してください」などと言います。申請書以外は、必ず必要なものではありませんが、上記のものはあるとないでは、心証がまったく異なります。

 

1からの準備すべてを当事務所ではパッケージ料金にして行います。書面作成にあたっては、当事務所に起こしいただくのを原則としています。しかし、遠方の方で、主張や根拠となる資料、時系列な出来事などが明確になっている場合は、遠方でも対応可能です。 遠方でない限り、あっせん申請の際は同行してあっせんの事務局に説明します。当事務所では労働局または労働委員会へのあっせん申請の際の日当費用はいただいておりません。

 

★資料等は郵送等でやりとりができます。遠方で当事務所にとても行けないという場合は、その旨をお伝え頂ければ書面作成等行います。ただし、遠方の方は、送付された資料、確認できた範囲内で書面を作成することになります。

 

労働局や労働委員会へあっせん申請に行く際に、予約が必要な場合は、当事務所から予約を取ります。あるいは、遠方であっても、事務局担当者あて、書面一式を当事務所から郵送させていただきます。

 

あっせん手続でお困りの場合、どうやって準備していいかわらない場合などは、ぜひご依頼ください。紛争解決までもっていける可能性があります。

 

特定社会保険労務士を活用することで、申請書、申立書、理由書、陳述書、資料整備などご本人が少しでも優位な立場になるように、代理、陳述、助言などを受けることが可能です。

 

あっせんは、何の縛りもありませんから自由です。もし、「証拠がないけど・・・」という場合でも、なんとかできるのがあっせんです。ぜひご利用ください。 

 

あっせんを利用すると、訴訟や労働審判といった、嫌な裁判所の手続きを考える必要がありません。法律事務所を頼る必要もないのです。裁判や労働審判を回避して、紛争解決に臨むことができます。訴訟や労働審判でかかる弁護士費用を考えると、社会保険労務士にすべて委ねてもコストを抑えられます。

 

労働局の「調停」につきましても、ここでお伝えしたことは、同じです。

 

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